さて、前回に引き続き、今回はデザインとアートにまつわる私の体験談をお話したいと思います。

長年お仕事をさせていただいていたクライアントに「デザイナーさんの好きなようにデザインして欲しい」と言われたことがございました。もちろん私の実績や経験を知った上で、私が好きなようにデザインして欲しかったようです。

、、、、、ですが、私は戸惑ってしまいました。デザイナー的には冥利につきるところかと思いきや、全然うまくデザインできずに不完全燃焼で終わってしまいました、、、、

その当時は「デザイン」と「アート」を切り分けすぎていたこともあり、いざ自分の個性や感性をいかしたデザインをしようとしても、なかなか良いアイディアが浮かばず、挙げ句の果てには、着地点があやふやになってしましい、結局はクライアントにいつも通りヒアリングしていました、、、、、 

この出来事がきっかけで、イマジネーションの手がかりをクライアントに依存しすぎている自分に気付いてしまったのです、、、、、

その後、クライアントからは「もっと、らしさを前面に出して、思いっきりやって欲しかった、、、」と言われ、その日は相当凹みました、、、、、

その経験があってからは、クラインアントがデザイナーに依頼する際は、そのデザイナーの実績や経験を信頼した上で個性や感性を求められることもある、ということを意識するようになったのです。もちろん全てのクライアントに言えることではありませんけどね。

そして、大袈裟かもしれませんが、その後、アートスクールへ通って油絵を数年間学びました。さらに美術館へ足しげく通い、アートを積極的に取り入れるようにしたのです。

、、、、、、、その結果、芸術性が上がったかはなんとも言えないところですけど、、、油絵にどっぷりハマり、美術館へ行くことも好きになりました。

それから、芸術に数年間触れたことで、実はアートにもデザイン思考のように、相手に寄り添う考え方が必要なんだと気付きました。誰にも共感されない創作物や自己表現はアートとは言えず、アートも共感や感動をしてくれる相手がいてこそ成り立つ活動なのです。

というわけで、ここ数年の私はデザインとアートを切り分けせずに、その間を行ったり来たりしている、限りなくグレーなデザイナーなのです。

デザインとアートの間をとった便利な言葉ってないのかなぁ、、、と思うデザイナーでした。