
今回は黄金比についてお話しいたしますが、あくまで僕の見解であり意見ですので、黄金比を利用してデザインをされている方を否定するものではございません。
まずは、デザインセオリーでよく言われる、美しいとされる黄金比は以下の通り。
- 黄金比 1:1.618
ダ・ヴィンチが数字化した比率と言われているのですが、歴史自体は古く古代ギリシャ時代から使われているとされています。このように、歴史的にも有名すぎる比率なんですが、思いのほか使い所が難しかったり、実際のデザインで活かしどころが分からないセオリーでもあります。
僕自身、黄金比を意識して作ってみたい好奇心はあるのものの、せいぜい写真の縦横比で使う程度、、、、 もちろん、実際その比率で長方形を作ると収まりが良さそうに見えるのは事実なんですが、本当にそれがベストな比率なのかは微妙なところ、、、、
ただの安心材料
では、なぜこんなにも黄金比が語られるかと言うと「デザイナーの安心材料」ではないかと考えております。理論的に美しいとされている比率を、自分が作っているデザインに取り込んでいる安心感。
そうなんです、デザインは常に自分の自信との戦い。自信がなかったり煮詰まっている時こそ、自信の裏付けとなる素材が欲しいんです。
正直なところ、僕にとっての黄金比はそんな位置付けです。お客さんに説明して納得させるセオリーでもないですしね。っていうより、デザイナーでないお客さんですら知っていそうですし。
振り回されると煮詰まる
実際、僕も黄金比を積極的に使おうとした時期がありました。ですが、黄金比を使おうとすればするほど、煮詰まってしまうことが多かったような気がします。無理やり当てこもうとすると、逆に変なバランスになったり、黄金比に執着するがあまり、振り回されてしまうことがよくありました。
なので、あくまでデザインの方法論の1つと捉え、黄金比を無理に使う必要性はありません。むしろ、お客さんのご意向だったり、情報量のバランスなどを鑑みると、黄金比を当てがえるチャンスは少ないと感じざるを得ません。
感覚に頼ろう
結論は日頃のデザイン業務で培った感覚に頼るのが一番。理論より経験値ですよ。とはいえ、黄金比を知らないより知っていた方がいいので、なんとなく感覚を掴んでおくことはいいかもしれませんね。黄金比以外にも状況に合わせたベストなバランスもありますし、、、、
ちなみに、デザインを何年もやっていればバランス感覚が自然と身につきます。自分の成長を急いで、理論を詰め込みすぎないように気をつけたいところ。
自分の成長はゆっくり見守りましょう。